【内装デザイナーが解説】おしゃれなカフェを開業するには?|事例・費用・ポイント
比較的、少ない設備で開業しやすい「カフェ」。また、ドリンクは原価率も低く、ロスも少なく、作る側の人手も少なくて良いことから、飲食店の中でも、比較的開業しやすい業態と言えるでしょう。しかし、一方、大手チェーン店もライバルとなるこの事業は、「何を強みとしていくのか」など、しっかりとしたコンセプトや売りを作っていくことが重要になります。

「失敗しないために」カフェ開業の重視するべき|5つのポイント

立地選び
- ポイント: ターゲット層が訪れるエリアかどうかを見極める必要があります。周辺の競合カフェや人通り、駐車場の有無なども考慮しましょう。
- 失敗例: 人通りの少ない場所に出店した結果、集客が伸びずに閉店してしまったケース
明確なコンセプト設定
- ポイント: コンセプトが曖昧だと、メニューや内装、サービスに一貫性がなくなります。お客様に強く印象付けるためにも、テーマを絞ることが大切です。
- 失敗例: 他店の人気要素を取り入れすぎて、結局「何のカフェか分からない」と感じられてしまった
内装デザインと雰囲気作り
- ポイント: 内装デザインは、店舗のブランドイメージを伝える大切な要素です。特に動線設計や照明、素材の選び方にはこだわりましょう。
- 失敗例: 内装にこだわりすぎて予算オーバーとなり、開業後の運転資金が不足してしまった
メニューと価格設定のバランス
- ポイント: 競合店の価格帯をリサーチし、品質と価格のバランスを保ちましょう。原価率や利益率も確認し、無理のない価格設定を心掛けます。
- 失敗例: 高価格帯のメニューを設定したが、内装を重視せず、顧客がつかなかった
コスト管理と資金計画
- ポイント: 初期投資だけでなく、家賃や光熱費、人件費などのランニングコストも計算に入れて、資金計画を立てます。余裕を持った資金繰りが重要です。
- 失敗例: 開業時に予算を使い切ってしまい、広告費やメンテナンス費用が捻出できず、集客が伸び悩んだ
カフェ内装のおしゃれなデザイン事例
「カフェ×美容室」内装の事例
カフェは、別の業態との相性もいいため、他の業態と合わせて、唯一無二のコンセプト、話題性やリピーターを獲得することができます。
韓国のような可愛い内装の事例
現在の韓国のカフェ内装は、ピンク・パステルカラー・ネオンライトを基調としたものだけでなく、もう少し大人っぽい白を基調とした、大人っぽい空間もあります。360度どこを見ても異世界にいて、くつろげるような韓国のカフェ内装は世代を超えて人気があります。
レトロなカフェ内装

昭和の喫茶店を彷彿とさせるレトロな内装は、ノスタルジックな雰囲気を楽しめます。古いポスターやレトロな家具、小物を配置することで、タイムスリップしたかのような体験ができます。インテリアの中古品に抵抗がなければ、比較的簡単に没入感のある空間が作りやすいでしょう。
北欧風カフェ内装

明るくシンプルな内装と、木の温もりを感じる家具が特徴です。北欧風のデザインは、リラックスした空間を演出し、居心地の良さを提供します。流行りにも左右されず、比較的内装コストも安価に済みやすいのも特徴です。
インダストリアルスタイルのカフェ内装

レンガ壁やメタル素材、ビンテージ家具を取り入れたクールなデザイン。都会的でスタイリッシュな印象を与えるインダストリアルスタイルは、若い層に人気です。また、都心ではビジネスシーンでの利用も多く、打合せの合間などの利用により、回転率も比較的高い傾向にあります。
ドッグカフェ内装

ペット同伴可能なカフェでは、ワンちゃんが快適に過ごせるスペース作りが重要です。床材には滑りにくい素材を使い、ペット用の家具や水飲み場など、ペットにも優しいデザインがポイントです。また、店内をペット同伴OKにするには、ソファや椅子の素材を、キズの入りにくい又はキズが目立たない素材を選定するのが良いでしょう。
撮影スタジオのような内装
より没入感のある空間にするには、撮影スタジオのような空間もおすすめです。上記の写真の「工房花屋」さんは、天井が高く、遊びのあるレイアウトが特徴的です。カフェのみとして営業する場合、回転効率を考慮するともったいなく感じてしまうかもしれませんが、撮影スタジオも兼ねるなら、十分ありな設計といえます。
ロンハーマンカフェの内装

カリフォルニアスタイルの開放的なデザインが特徴。白を基調とした空間に、自然光を取り入れ、リゾート感を演出しています。カジュアルでリラックスした雰囲気が魅力です。女性、特に若い顧客や主婦層に人気です。
倉庫カフェ内装

倉庫をリノベーションしたカフェは、天井が高く、開放感があります。インダストリアルなデザインと相性が良く、無骨な素材感やオープンな空間設計が特徴です。倉庫をリノベーションすることで、その倉庫の個性を活かすことで、唯一無二のカフェ空間ができること間違いなしです。
アンティークなカフェ内装

ヴィンテージ家具や装飾品を取り入れた内装は、ノスタルジックで温かみのある空間を作り出します。内装やインテリアの費用はやや高くなりますが、一度作り込んでしまえば、人気は根強く、人気が出やすい傾向にあります。
ブルーボトルコーヒーの内装

シンプルでありながら、洗練されたデザインが特徴。広々とした空間と、木材を使った温かみのあるインテリアが、コーヒーの香りを引き立てます。鉄筋コンクリート造の物件を選び、天井を解体して、タイルや白味の強い木のインテリアと組み合わせると、こういった雰囲気の内装を作ることができます。
スターバックスの内装
店舗ごとに異なるデザインコンセプトを持ち、地域性やストーリー性を大切にしています。どの店舗に入っても居心地が良く、長居したくなる工夫が施されています。
ナチュラルスタイルのカフェ内装

植物を多く取り入れ、自然光を活かしたデザインが魅力。健康志向のメニューやオーガニックカフェとの相性が抜群です。
古民家をリノベーションしたカフェの内装
古民家を活用したカフェは、和の趣と現代的な快適さを融合させています。梁や柱などの古材を活かし、温かみのある内装が特徴です。特に、季節ごとに変わる庭の景色や、和風のディテールが日本らしい魅力を演出しています。
和モダンカフェの内装

和の伝統美とモダンデザインを融合させた内装です。落ち着いた色調や自然素材を活かした空間づくりがポイント。例えば、畳をアレンジした座席や、障子風のパーティションなどが人気です。
プロのデザイナーが教える!カフェ内装のデザインポイント

レイアウトと座席配置のコツ
カフェの内装デザインにおいて、レイアウトと座席配置は非常に重要です。特に動線設計を意識することで、お客様のストレスを軽減し、スタッフの作業効率も向上させることができます。たとえば、注文カウンターから席までの導線を広めに取り、キッチンからもアクセスしやすい設計にすると、サービスの回転率を高めることが可能です。
通路が狭すぎて、お客様同士やスタッフが行き交いにくいケースがあります。可能であれば、お客様とスタッフの動線を分ける、トイレ位置を適切に設計するなど、レイアウト設計の段階で、動線を確保することを意識しましょう。
照明で演出するカフェ空間
照明は、カフェの雰囲気を大きく左右する要素です。昼間は自然光を活かした明るい空間を演出し、夜は間接照明でリラックスできるムードを作ると効果的です。また、スポットライトやペンダントライトを使い、テーブルごとに異なる雰囲気を演出することで、写真映えするポイントを作り出すこともできます。
照明が強すぎると居心地が悪く、逆に暗すぎると手元が見えにくくなります。暗めの落ち着いたカフェを作りたいのか、明るく開放的なカフェを作りたいのか、で照明器具の選定も変わってきますので、適切な場所に適切な照度・配光角・光色の照明器具を選びましょう。
カフェ内装の色使いと雰囲気作り
色は、訪れる人の気持ちを大きく影響します。たとえば、温かみのあるベージュや木の色を基調とすることで、落ち着いた雰囲気を演出できます。一方、ポップな色使いであれば、元気で楽しい印象を与えることができます。季節ごとにクッションや小物のカラーを変えることで、簡単に模様替えを楽しむことも可能です。
よくある色選びの失敗に、たくさんの種類の色が混在している、というものがあります。
色は3色に程度にまとめると、まとまった印象の美しい空間になります。それ以上を使用する場合は、難易度が上がってきますが、トーンや彩度の近いものでしたら、色が増えても大丈夫です。
カフェ内装に使う素材の選び方
内装に使う素材は、見た目だけでなくメンテナンス性も考慮する必要があります。例えば、床材には耐久性があり掃除しやすい素材を選び、壁材には防汚加工が施されたものを使うと、長期間美しさを保つことができます。また、家具の素材も重要で、ウッド素材は温かみを、メタル素材はクールな印象を与えます。
「綺麗め」な感じを大切にするのか「味」を出したいのか、で使用する素材は変わってきます。コンセプトと将来のイメージに合わせて、デザイナーに相談しましょう。
⑤収納計画
収納が少ないと、本来お客様に見せたくないものが、お客様の目に入る場所に置かれ、せっかくの雰囲気を損なってしまいます。カフェの場合は、収納率15%が適正であり、これを考慮した収納にするようにしましょう。
床面積に対して、15〜20%が収納になるようにすると、余裕のあるカフェができますよ。
いくらかかるの?カフェ内装の費用相場

カフェの内装の費用は、規模やデザインによって異なります。具体的には下記の通りです。
居抜き物件の場合
前のテナントもカフェ、そのままカフェとしてオープンできる物件を「居抜き物件」っていうんだって!
一般的な内装:坪単価40〜50万円
こだわった内装:坪単価50〜60万円
スケルトン物件の場合
テナントとして、空っぽの物件を借りる場合は、これね。
一般的な内装:坪単価60〜70万円
こだわった内装:坪単価80〜100万円
新築物件の場合
水道・ガス・電気などの引き込みも絡むと金額が高くなるらしいよ
一般的な内装:坪単価80〜100万円
こだわった内装:坪単価100〜150万円
カフェ内装の費用を抑えるための裏ワザ

できるだけそのまま使えるものが多い物件を選ぶ
トイレ、厨房設備など、そのまま使用できる設備が多ければ多いほど、内装にかかる費用は安価になります。
でも、そのまま使用せずに、既存のものをなくして新規に入れ替える場合には、解体費用が発生するから、「そのまま使える設備」であることが重要ね。
こだわらなくて良い部分は既製品を自分で手配
スタッフルーム内のものや、カーテンなど、自分で後から設置できそうなものは、内装業者に依頼せずに、自分で既製品で手配するなどすると、安価に抑えることができます。
内装の雰囲気と違和感がないように、早めにデザイナーに相談しておくと安心です。
専門デザイナーに相談するメリット
カフェの内装は、コンセプトやターゲットに合わせて細部までデザインする必要があります。プロのデザイナーに依頼することで、ブランディング、固定ファン獲得、SNS集客にもつながる内装を実現できます。
お問い合わせ
弊社Studio.Sumutoco(スタジオすむとこ)では、コンセプトから作り込む、唯一無二の空間作りを得意としております。カフェの事例もございますので、よろしければお気軽にお問い合わせください。