スケルトン物件・居抜き物件|美容室開業にはどっちが有利?
美容室の内装費用を抑えるには、どうしたらいいのかな?
スケルトン物件とか居抜き物件ってよく聞くけど…よく分からない。
美容室の内装を考えるときにはイメージも大切ですが、正直、費用も抑えたいですよね。そこで今回は、美容室内装におけるスケルトン物件と居抜き物件の比較を行います。メリットとデメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
スケルトン物件・居抜き物件とは?
まずスケルトン物件と居抜き物件の違いについて、簡単に解説していきます。
スケルトン物件の特徴
スケルトン物件とは、内装の設備が一切ない状態の建物。壁・天井・床、すべてがない状態で、躯体(くたい)のコンクリートがむき出しになっています。この躯体のコンクリートは、「コンクリート打ちっ放し」とは違い、綺麗ではないことがほとんど(上記の写真参照)です。また配管もされていない状態ですので、ゼロから内装をつくっていくことになります。
スケルトン物件を借りて、内装を作る場合、坪単価は25~50万円(20坪の場合、500〜1,000万円)程度が一般的です。内装にこだわりたい場合は、スケルトン物件になってくるでしょう。
居抜き物件の特徴
居抜き物件とは以前のお店の内装がそのまま残っている状態の建物。自分が退去するときも設備を残していけるため、元に戻すための費用が削減できます。
スケルトン物件を借りて、内装を作る場合、坪単価は12~20万円(20坪の場合、240〜400万円)程度が一般的です。少しでもコストを抑えたい場合には、居抜き物件を検討する必要があります。
スケルトン物件のメリット・デメリット
特徴がかなり違うスケルトン物件と居抜き物件ですが、ここからは具体的なメリット・デメリットを解説します。どちらの物件が自分に合っているのか、確認するときの材料として役立ててみてください。
スケルトン物件のメリット
- ゼロから内装を作れるので、自由度が高い
- 自分の好きな機器・設備を設置できる
- 物件数が多い
スケルトン物件のデメリット
- 内装や設備が自由な分、費用がかかる
- デザイナー選びを間違えると失敗する
- 原状回復をしてから引き渡すので閉店時に費用がかかる
スケルトン物件のメリット
メリット①:デザインの自由度が高い
スケルトン物件のメリットはなんといっても、内装をゼロからつくることができるところ。あるのは、物件の条件による制約のみです。従って、内装にこだわりたいのであれば、この方法一択でしょう。自分の好きな機器・設備を自由に配置できるのも、メリットの1つでしょう。
メリット②:物件の数が多い
また、スケルトン物件は元が住宅・飲食店・オフィス、などに関わらず、全て壊して流通させていますので、物件数が多いのも特徴です。
スケルトン物件のデメリット
デメリット①:費用がかかる
全てをゼロから作っていくので、費用がかかります。
デメリット②:デザイナー選びを間違えると失敗する
居抜き物件の場合は、もともとある設備でイメージが湧きますが、スケルトン物件の場合は、何もない状態からのデザインなので、デザイナー選びがとても重要になります。きちんとしたデザイナー選びを行いましょう。
デメリット③:閉店に費用がかかる
撤退する際は、現状回復(再度スケルトンの状態すること)して、物件を返す必要があります。解体には、小さなお店でも50万円程度はかかると思って見積もっておくのが良いでしょう。
居抜き物件のメリット・デメリット
次に、居抜き物件のメリット・デメリットについて、紹介していきます。
居抜き物件のメリット
- 元々の設備を使えるため、開業費用を抑えられる
- 元々の設備を使えるため、工期を短縮できる
居抜き物件のデメリット
- 設備機器の修繕は自費で行う
- 既存の設備を使うと、内装デザインの自由度が低くなる
- 周囲には以前の店のイメージが残る
- 物件数が少ない
居抜き物件のメリット
メリット①:開業費用を抑えられる
居抜き物件のメリットは、なんといっても設備にお金がかからないところ。以前の設備をそのまま使用できるというのは大型器具の購入が必要ないので、かなり初期費用を抑えられます。
メリット②:工期を短縮できる
この物件の状態で営業していた実績があります。
従って、極端な話、既存の設備を使用すれば、今すぐにでも美容室を始められると考えるのが妥当です。
小さな美容室でも、内装工事や設備の設置で2ヶ月程度はかかりますので、早められれば、その分、家賃も節約できることになります。
居抜き物件のデメリット
デメリット①:初期不良の修理が自費
居抜きの場合だと、そもそもどういった工事(電気の配線や下地作り)がされているか分かりません。「漏電した」「設備が動かなくなった」際には、調査から入る必要があるので、費用がかさむケースが多いです。
デメリット①:設備の位置・デザイン変更にはコストがかかる
設備の設置工事が完了していることで、自由に器具を動かせません。また、導線やデザインを変えたい場合、配管を変えたり、床や壁を壊す必要があったりすると、案外コストがかかってしまうことも。
デメリット②:周囲には以前の店のイメージが残る
内装を変えないと、どうしても前のお店のイメージがついて回ります。居抜き物件を借りる場合、契約の前に、前のお店がどんなだったのか、近所の人に聞いて見るのがオススメです。
デメリット③:物件数が少ない
また、居抜き物件で、元が「美容室」となると物件数がどうしても少なくなってしまいます。そこに更に「立地」や「内装」などの条件を加えると、物件数はかなり少ないと言えます。
こんな居抜き物件は逃すな!
もし、あなたが居抜き物件で、下記の条件を満たす物件を見つけたなら、迷わず不動産屋さんに抑えてもらった方が良いでしょう。
- もともと美容室である
- 設備(セット面・シャンプー台の数など)
- 立地条件を満たす(エリア・駅から〇〇分・路面店など)
- 内装イメージが合致(または簡単な改修で合致しそう)
まとめ
今回は美容室内装における、スケルトン物件と居抜き物件の比較をしました。
本記事の要約
- スケルトン物件・居抜き物件とは?
- スケルトン物件のメリット
①自由なカスタマイズがしやすい
②自分の好きな機器・設備を設置できる - スケルトン物件のデメリット
①原状回復をしてから引き渡すため、閉店時に費用がかかる
②内装や設備が自由な分、費用がかかる - 居抜き物件のメリット
①元々の設備を使えるため、低コスト出店ができる
②同じく工期を早められる
③初期費用が抑えられるため、初期費用のリスクが減る - 居抜き物件のデメリット
①設備機器の修繕は自費で行う
②内装デザインの自由度が低い
③周囲には以前の店のイメージが残る
美容室の内装イメージによっては、居抜き物件よりもスケルトン物件のほうが安い場合もあります。
候補となる物件を仮押さえし、デザイナーと職人に見てもらい、調査してもらいましょう。
スケルトン物件の場合、実際にかかる見積もり内訳は、こちらの記事で公開中です。併せてご覧ください。