探検家が砂漠に作ったオフィスの話
「世界中のどこにもない事務所」を製作しました。製作の様子はこちら。
ここでは、オフィスを製作するにあたり、どのようなコンセプトを作ったか、
前提の物語(studio.sumutocoオリジナル)を綴っておきます。
STORY
あるところに、一人の旅人がいました。
旅人は砂漠に魅了され、あらゆる砂漠を歩いてきました。ある時はロバを、ある時はラクダを相棒にして。
今回、旅人はひとりでした。
広大で美しい風紋は、旅人を飲み込んでしまいそうで、旅人は砂漠と一体になったような、不思議な感覚でいました。
どこまで歩いてもずっと風紋が続き、自分がどこから来たのか、どこまで続くのか、
自分が生きているのか、死んでいるのかも分からないような。
ある日は5000歩、ある日は40000歩ほど歩いています。
でも、景色は一向に変わる気配がなく、動物もいない。
そんな風景が何日も、いや何週間、何ヶ月、もしかすると何年も続いて、「自分は生涯をここで終えるんだろうか」旅人はそんな気になってきました。
旅人は、ふう、とため息をつきました。
自分が旅を続けたいのかどうかも分からなくなってきました。
目を瞑り、両手を上げながら、大きく息を吸い込んで、
そのまま、大の字で、砂の上に、ドスンと倒れるようにして、寝転びました。
目を瞑ったまま、「しばらく、そのまま一休みよう。」そう思うか思わないかのうちに、旅人は、眠りについてしまったようでした。
ひんやりするような、そんな感覚で目が覚めました。
「夜になったのかな。
いや、夜の感覚とも違うな。」
旅人は目を開けました。
目の前には、大きな岩がありました。
とにかく巨大な岩でした。
触ってみるとひんやりと冷たく、不思議な感覚でした。
なぜ、いつの間に、どうやって、この岩がここに現れたのか、分かりませんが、
旅人は、この岩を気に入りました。
本当に気に入って、この岩から離れたくないと思いました。
旅人は、この岩をテーブルにして、今後どうするか、考え始めました。
このテーブルの上では頭が冴えて、いろいろなアイデアが浮かんできます。
旅人はこのテーブルで色々なものを作りました。
飛行船や飛行船の発着場、空に浮かぶ岩のライトなど、様々なものを発明し、揃えていきました。
こうして、砂漠の真ん中が、旅人の拠点となり、オフィス兼アトリエとなりました。