美容室におけるトイレの内装デザインのポイント|居心地のいいお手洗いとは?
美容室のトイレ空間の意義
美容室のお手洗いの内装って、意外に重要よね
そうね。とびきり豪華にする必要はないけれども、トイレの居心地の悪さは美容院全体のマイナスイメージに直結するわ。
美容室に限らず、店舗に設置するトイレのデザインは悩みのタネ。
トイレの内装設計よりも接客空間に予算や手間をかけたいのがお店側の本音ですが、かといってお手洗い周りを蔑ろにすることは、「汚い」「臭い」「気配りがいきとどかない」など、美容室として致命的なイメージ悪化すら招きかねません。
しかしこれはいいかえれば、お手洗い周りの清掃や内装に気を配ることができれば、美容室としてのお客様満足度を大きく高めることができることの裏返しでもあります。
この記事では、これから美容室を開業したいとお考えのみなさまにむけて、美容室の内装におけるトイレ空間の重要性と、その設計上の注意点をご紹介いたします。
お客様は美容室のトイレを「減点方式」で評価する
美容室のトイレを計画する上で大切なことは?
限られた予算の中で、とにかく「幻滅」させるものを減らす工夫が大切ね。
美容室のトイレ設計は「守り」の戦いよ。
各美容室のコンセプトにもよりますが、基本的に美容室とはささやかな非日常空間であり、辛くて退屈な日常から逃避できる場所としての役割を期待される場所です。
ゆえに美容室を開業する方は、内装さまざまな工夫を凝らしてこの「非日常空間」を演出するのです。
しかし往々にして、美容室のトイレというのは「引き戻される」空間となりがちです。
というのもトイレというのは1人に戻れる空間である上に、メインの接客空間に比べて内装もワンランク下の素材や工法が採用されやすく、しかも「掃除」を連想させる要素が多いことがその原因でしょう。
そのため、美容室の内装設計でもっとも重要になるのは、こうした「我に帰る要素」をどれだけ排除できるか、そして施術中の楽しさや高揚感を途切れさせない工夫を施せるか、という点なのです。
部位別|美容室のトイレで工夫すべきポイント
それでは、美容室のトイレを設計する上で、お金をかけるべき部分はどこなのか?お金をかけずともできることは何があるのか?といった具体的なポイントを、部分別で紹介したいと思います。
洗面台|手洗い・水回り
まず大切なのは洗面台(手洗い・水回り)。
水浸しの洗面台は、華やかな美容室の気分を台無しにしかねない要素です。
美容室のトイレにおいて、もっともお客様を幻滅させる可能性のある場所といえば、やはり洗面台ではないでしょうか?
例えば個人経営の飲食店などのトイレでは、しばしお弁当箱のように小さな洗面台を申し訳程度に据え付けたお手洗いを目にします。
こうした小さな洗面台は、奥行きが足りなくて手の全面を洗えないものや、蛇口やコックの位置が悪く使うたびに洗面台を水浸しにしてしまうものなど、何かと使いにくいものが多いです。
美容室のお手洗いは単に用を足すだけの空間ではなく、カット後にメイク直しやセルフチェックを行うためのスペースとしての役割もあります。
それを踏まえて考えると、水回りのスペースに水飛沫や汚れが広がっている状況は、お客様に悪印象を与えるには十分なマイナス要素です。
見た目のオシャレさやコンパクトさも重要ですが、洗面台を選ぶ際は「水が溜まりにくい」「掃除しやすい」ものを選ぶ視点も意識して選ぶことが大切です。
照明・壁紙
次に気を使うのは照明と壁紙。
鏡に映るお顔の印象が、セット面とトイレで劇的に違わないように工夫しましょう
次にトイレの設計で重要なのが、照明と壁紙の選択です。
カッティングを行うスペース自体の照明や背景にこだわる方はたくさんいますが、トイレにまで気を配っている美容室はあまり多くはありません。
無論それは、「トイレにも高価な照明器具や内装材を使え」という意味ではありません。
ただ、施術スペースの空間の印象と大きく異なる色味・素材を使うのは避けるのがベターという内容です。
例えば壁紙についても、メインの空間と必ずしも全く同じ素材を使う必要はありませんが、その色味や雰囲気が大きく変わる内装材は避けるのがベターです。
なぜなら人間の顔色というのは、その背景の色味でも大きく印象が変わるからです。
特に気をつけなければならないのが、蛍光灯やそれに近い白色のLEDを使ってしまうことです。
まるでオフィスのように明るく無機質な白色の照明は、空間全体に冷たい印象を与える上に、鏡に映ったお客様の顔色を証明写真のような冴えない印象にしてしまう恐れがあるからです。
電球を選ぶ際は、セット面と同系色(外の光を多く入れる店舗の場合は、昼白色)のライトを使用するようにしましょう。
収納
もう一つ重要なのが、収納スペースの存在です。
最後に注目したいのが、消耗品のストックや掃除道具を隠すための収納スペースです。
当たり前のことと感じられるかもしれませんが、
- 替えのトイレットペーパー
- 便器を掃除するブラシ
- 芳香剤
などの見せなくてもいい存在を、きっちり隠しきっている店舗はそれほど多くありません。
しかしこうしたトイレ周りのごちゃごちゃした道具・製品類は,否が応でもお客様に家事・掃除・買い出しなどを連想させてしまうことから、可能であれば全て隠してしまいたいというのが本音でしょう。
一方で、掃除道具入れをあまりに奥深くに隠してしまったり、存在感を消そうと小さな収納しか用意しなかった結果、掃除の頻度が落ちてしまったり疎かになってしまうようでは本末転倒です。
快適に利用でき快適に掃除できるトイレは、簡単に作れるものではありません。
普段からトイレ掃除を頻繁に行っていること、さまざまな店舗のトイレを観察してその工夫を勉強すること、そして設計者との綿密な打ち合わせ。
こうした積み重ねがあって初めて、程よい大きさと距離感の収納スペースが実現するのです。
まとめ
どうしても予算を削られがちなトイレの内装。
でも、その中でも優先順位をつけるのが大切なのね?
本記事の要約
- トイレの内装では、「現実に引き戻される」要素をどれだけ排除できるかがポイント
- 特にマイナスイメージに繋がるのは「使いにくい洗面台」「蛍光灯のような照明」「生活感のある掃除道具」の3つ
- 予算に余裕があるのなら、なるべくメインの施術空間に近い内装を目指す
以上、美容室におけるトイレの内装について紹介してきました。
内装工事に予算の壁はつきものですから,無理に豪華なトイレを作る必要はありませんが、匂いや汚れにつながる要素は徹底的に排除することが最優先。
これらのポイントを踏まえた上で、オシャレさやコンセプトの実現を検討しましょう。
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