美容室・美容院のトイレ内装ガイド|おしゃれで「また来たい」と思わせる設計と寸法、失敗しない3つの鉄則

広々としたタイル張りのトイレ

美容室の内装を計画する際、セット面やシャンプー室に予算と情熱を注ぐのは当然のことです。しかし、お客様の満足度、そして「リピート率」を密かに左右するのは、実はトイレの居心地だということをご存知でしょうか。

トイレはお客様が施術中に唯一「一人になれる空間」であり、店舗のホスピタリティが最も試される場所です。

本記事では、これまで数多くのサロン内装を手掛けてきた「スタジオすむとこ」の視点から、「美容室 トイレ」の設計で失敗しないための実務的なポイントを、具体的な寸法や工夫を交えて解説します。


なぜ美容室のトイレは「減点方式」で評価されるのか?

15坪の美容室の既存を活かしたシンプルだけどクリーンなトイレ
©️スタジオすむとこ設計・施工 既存を活かしたシンプルだけど綺麗なトイレ 「絶対に美味しいコーヒーが出てくる美容室」

多くのオーナー様が「トイレは綺麗ならそれでいい」と考えがちですが、お客様の心理は少し異なります。

  • 非日常からの転落を避ける: 美容室は「綺麗になれる特別な場所」です。しかし、トイレの扉を開けた瞬間に、生活感のあるトイレットペーパーのストックや掃除用具が目に入ると、一気に現実に引き戻されてしまいます。
  • 「掃除」の行き届き=「技術」への信頼: 水回りの汚れは、そのまま「器具の消毒や接客の丁寧さ」への不安に直結します。

トイレは**「綺麗で当たり前(0点)、何か一つでも不快ならマイナス100点」**という、非常に厳しい評価基準を持たれている空間なのです。


【プロの設計図】失敗しない理想の寸法とレイアウト

美容院トイレの絶対失敗しないレイアウト

10坪・15坪・20坪の小規模サロンでは、トイレの面積を最小限に抑えたいのが本音でしょう。しかし、使いにくいトイレは「不親切な店」という印象を与えます。

理想の有効寸法

  • 手洗い器の奥行き: 奥行きが200mm以下のコンパクトすぎる洗面器は、水跳ねの原因になり、お客様の服を汚すリスクがあります。奥行き300mm以上の深さがあるものを選ぶのが安全です。
  • 標準的な広さ: 一般的な住宅用(0.5坪 / 910mm×910mm)でも設置は可能ですが、美容室では幅1000mm以上を確保するのが理想です。理由は、先ほど述べた手洗器のサイズです。住宅用の最小寸法で作ると、小型な手洗いシンクしか入らず、閉塞感及び、水はねによる、清掃性・メンテナンス性の低下に繋がるからです。

動線の配慮(視線のコントロール)

  • セット面からの視線: セット面や待合席からトイレの入り口がダイレクトに見えるレイアウトは避けます。パーテーションを立てるか、入り口をクランクさせるなどして、お客様同士が気まずい思いをしない工夫が必要です。


「また来たい」と思わせる内装・設備の3つの鉄則

サーモンピンクを加えた、韓国っぽい美容室のトイレ内装

照明:鏡に映る自分の顔を「老けさせない」

トイレの鏡でお客様は必ずメイク直しや顔色のチェックをします。青白い蛍光灯や、真上からの強いダウンライトは、目の下に影を作り、顔色を悪く見せてしまいます。

  • 正解: セット面と同系色の温かい色味(温白色〜電球色)を選び、ブラケットライト(壁付け照明)などで顔全体を柔らかく照らすのがポイントです。

壁紙・床:清潔感と「清掃性」を両立する

  • 壁紙: 一面だけアクセントクロスを取り入れることで、狭い空間でも奥行きを演出できます。
  • 床: 髪の毛が落ちやすいため、目立ちにくいグレージュ系のクッションフロアや、サッと拭き取れるタイル材が推奨されます。

収納:生活感を「徹底的に隠す」

予備のペーパーや掃除ブラシは、露出してはいけません。

  • 壁厚を利用した埋込収納: 狭い空間を圧迫せずにストックを確保できます。
  • ニッチ(飾り棚): 掃除用具を隠す一方で、季節の小物やアロマを置くスペースを設けることで、「おもてなし」を演出します。

【お悩み解決】「美容室にトイレがない」はアリなのか?

グリーンのタイルを使用した美容室のトイレの内装

物件によっては、店内にトイレがなく共用トイレを使用するケースもあります。検索ワードでも「美容院 トイレ ない」という不安の声が見られますが、大切なのは**「事前の伝え方」**です。

  • お声がけのタイミング: カラーやパーマなどの長時間メニューに入る前に、「お手洗いは店外になりますので、今のうちにいかがですか?」と必ず確認しましょう。
  • ポーチや鍵の工夫: 店外でも恥ずかしくないよう、アメニティをまとめた専用ポーチを用意したり、トイレの鍵を可愛いキーホルダーにするなど、「店外であること」をポジティブな体験に変える工夫が有効です。

予算を賢く配分するなら「施主支給」も検討を

洞窟感のある美容室のトイレ内装

「トイレにはこだわりたいけれど、予算が…」というオーナー様におすすめなのが、便器本体をオーナー様自身で購入して設置だけ依頼する**「施主支給」**です。

最新のアラウーノや高機能なLIXIL製品を、工務店価格よりも安く手に入れられる場合があります。具体的な機種選びや注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい: 【裏技!】美容室のトイレを格安で作る方法は「施主支給」?


美容室のトイレに関するよくある質問(FAQ)

美容室のトイレに関するよくある質問(FAQ)

美容室の設計・開業を控えたオーナー様からよくいただく、トイレに関する疑問にお答えします。

Q. 美容室のトイレは「男女別」にする必要がありますか?

A. 小規模サロン(10坪〜20坪程度)であれば、男女共用でも問題ありません。 ただし、女性客がメインのサロンでは、清掃の徹底はもちろんのこと、小物置き場や大きめの鏡、消臭対策など「女性視点の配慮」が欠かせません。30坪を超える大型店舗や、ターゲット層が明確に分かれる場合は、男女別を検討するのが望ましいです。

Q. 10坪の狭小店舗です。トイレの最適な配置は?

A. 「入り口から遠く、かつシャンプー台の配管に近い場所」がコストと動線の正解です。 狭い店舗では、トイレの扉が待合室やセット面から直接見えないよう、死角を作るレイアウトが重要です。また、シャンプー台と水回りを集約することで、配管工事のコストを大幅に抑えることができます。

Q. トイレにコンセントは必要ですか?

A. 最低でも2箇所(温水洗浄便座用+予備)を推奨します。 温水便座用の電源はもちろん、冬場の足元用ヒーターや、自動消臭器、あるいはスマホの充電サービス用など、後から「あってよかった」と思うケースが多いのがコンセントです。設計段階で少し多めに配置しておきましょう。

Q. 掃除用具をスマートに隠す方法はありますか?

A. 「壁厚収納」または「タンクレス+手洗いカウンター下」の活用がおすすめです。 トイレ内に独立した収納棚を置くと空間が狭くなります。リノベーションであれば、壁の一部を凹ませて収納を作る「ニッチ収納」にすることで、生活感を消しながら高い収納力を確保できます。

まとめ:トイレはサロンの「裏の顔」

10坪美容室の、小さいけれど可愛いトイレ
©️スタジオすむとこ設計・施工 「海外セレブがスウェットスタイルで訪れる美容室」のトイレ内装

トイレの内装にまで神経が行き届いているサロンは、お客様から「大切に扱われている」という実感を勝ち取ることができます。

本記事の要約

  • トイレの内装では、「現実に引き戻される」要素をどれだけ排除できるかがポイント
  • 特にマイナスイメージに繋がるのは「使いにくい洗面台」「蛍光灯のような照明」「生活感のある掃除道具」の3つ
  • 予算に余裕があるのなら、なるべくメインの施術空間に近い内装を目指す

以上、美容室におけるトイレの内装について紹介してきました。
内装工事に予算の壁はつきものですから,無理に豪華なトイレを作る必要はありませんが、匂いや汚れにつながる要素は徹底的に排除することが最優先。
これらのポイントを踏まえた上で、オシャレさやコンセプトの実現を検討しましょう。

そんな、こだわりの内装を実現できる美容室の設計でお悩み方は、ぜひstudio.sumutoco(スタジオすむとこ)へご相談ください。

以下のフォームから、お待ちしております!