【超重要】 美容室の鏡(セット面)はどう選ぶ?おしゃれで効率的な配置は?購入方法とポイント

1人美容室の開業で考えるべき「店舗内装による行動心理」
©️スタジオすむとこ_美容室施工事例(東京 杉並区 高円寺)

セット面の鏡(ミラー)は、美容室の印象を決定づける最も重要なインテリアといっても過言ではありません。

「既製品のおしゃれな鏡を安く買いたいけれど、自分で付けられるの?」 「地震で落ちてこないか心配。どうやって固定するのが正解?」 「オーダーメイドの鏡は高いイメージがあるけれど、メリットは何?」

初めての開業では、鏡ひとつ選ぶのにも疑問が尽きないものです。今回は、内装のプロの視点から、**美容室の鏡の種類、安くおしゃれに仕上げる裏技、そして意外と知らない「失敗しない取り付け方」**を分かりやすく解説します。


鏡選びの選択肢:既製品 vs オーダーメイド

©️スタジオすむとこ_美容室設計・施工事例(東京 府中)※画像の無断転載を禁止します。

鏡を準備する方法は、大きく分けて2つあります。予算とデザインのバランスで選びましょう。

① 既製品(楽天・IKEA・アンティークショップ等)を活用

最近では、ネットショップや家具店でデザイン性の高い鏡が手に入ります。

  • メリット: コストを大幅に抑えられる。
  • 注意点: 鏡本体に付属している金具が、美容室の壁(石膏ボード)に対応していないことが多い。

② オーダーメイド(造作)で製作

内装業者に依頼して、空間にぴったりのサイズで製作します。

  • メリット: 継ぎ目のない大きな鏡や、一点物など、内装に合わせて造作・設置できる。
  • 注意点: 既製品に比べると費用が高い。

下記で詳しく説明します。

セット面の種類は何がある?形状別に解説!

10坪美容室の成功方法

セット面は、その形から大きく3種類に分類できるわ。

美容室のセット面は、

  • 壁面タイプ
  • ドレッサータイプ
  • イーゼルタイプ

の3つが主流です。

壁面タイプのセット面

壁面タイプは、その名の通りミラーを壁面に貼り付けることで固定するタイプのセット面です。
空間を広く使えるほか、最も廉価な材料費・施工費で内装を仕上げやすいことから、多くの店舗で利用されています。
反面、コストを優先させると店舗内のレイアウトやデザイン的なバリエーションが出しづらく、個性やデザイン性を発揮しづらい点がデメリットと言えるでしょう。

既製品|壁面タイプの鏡特注品|壁面タイプの鏡

出典:楽天(丸い鏡 フーバ ミラー 86×86cm )価格:19800円
美容室内装施工事例
出典:スタジオすむとこ
●メリット
・安価
・スペースを広く取れる
・セット面を多く置ける
●デメリット
・個性やデザイン性を発揮し難い
●注意点
・購入品を事前に施工会社に伝えておく必要がある
・早めに購入品(鏡・テーブル)を決める必要がある
・取付の依頼有無を、事前に施工会社に伝えておく
●メリット
・スペースを広く取れる
・セット面を多く置ける
・個性やデザイン性を発揮しやすい
●デメリット
・特注品のため、高価
●注意点
・什器デザイン得意なデザイナー・施工会社を選ぶ必要がある

ドレッサータイプのセット面

ドレッサータイプは、机や土台を設置し、その上に鏡を設けるタイプのセット面です。
空間内のあらゆる場所に鏡を設置できるほか、設置する台座のデザインにバリエーションを出しやすく、個性的なお店によく見られるタイプと言えるでしょう。
同じ面積あたりで配置できる座席数が壁面タイプに比較して減ってしまうほか、内壁のデザインや他の家具のデザインとの統一感も意識しなければならないことから、予算もセンスも問われるタイプと言えるのではないでしょうか?

既製品|ドレッサータイプのセット面特注品|ドレッサータイプのセット面



出典:楽天(ドレッサーミラー・アイアン )価格:47760円

出典:「モダン×洗練された」鉄と石の美容室|スタジオすむとこ
●メリット
・比較的安価
・種類が豊富
・置くだけなので、工事が不要・入れ替えが簡単
●デメリット
・個性やデザイン性を発揮し難い
●注意点
・購入品を事前に施工会社に伝えておく必要がある
●メリット
・スペースを広く取れる
・セット面を多く置ける
・個性やデザイン性を発揮しやすい
●デメリット
・高価
●注意点
・什器デザイン得意なデザイナー・施工会社を選ぶ必要がある

イーゼルタイプのセット面

イーゼルタイプとは、鏡をイーゼル(西洋画などを描く際にキャンバスに立てかける台)の上に設置するタイプのセット面です。大きな鏡を使用すれば、開放的な空間演出が可能ですが、ミラーが斜め上を向いてしまうため、鏡の向きが施術に影響しないか、確認する必要があります。また、置くだけでは不安定なため、設置を施工会社に依頼する方が安全です。

既製品|イーゼルタイプのセット面特注品|イーゼルタイプのセット面

出典:楽天W88×H177cm ヴィンテージ ミラー価格:21780円

出典:「絶対おいしいコーヒーが出てくる美容室」スタジオすむとこ
●メリット
・比較的安価
・大きい鏡なので、空間が広く見える
・高級感を演出しやすい
●デメリット
・大きい鏡なので、セット面の数を取りにくい
●注意点
・不安定なため、施工会社に設置を依頼した方が安心
・お客様むけのテーブルは別で注文する必要がある
●メリット
・比較的安価
・大きい鏡なので、空間が広く見える
・高級感を演出しやすい
●デメリット
・大きい鏡なので、セット面の数を取りにくい
●注意点
・什器デザイン得意なデザイナー・施工会社を選ぶ必要がある

店舗によっては、壁面タイプとドレッサータイプを併用するお店もあるわね。

いずれにせよ重要なのは、店内全体の内装コンセプトやデザインコードに合わせたデザインを採用することです。

たとえばアンティーク系の美容室であれば、重厚な装飾枠をもった雰囲気のある鏡が適切ですし、逆にモダン系の美容室であれば、シンプルでスリムなデザインの鏡が最適となります。

セット面の大きさはどのくらいが使いやすい?

10坪美容室_完成画像_スタジオすむとこ事例
©️スタジオすむとこ_美容室設計・施工事例(神奈川 横須賀)※画像の無断転載を禁止します。

セット面を設計する際、ただ「鏡が置ければいい」と考えるのは危険です。美容室には、美容師が無理なく動ける**「作業動線」と、お客様が圧迫感を感じない「パーソナルスペース」**の両方が必要だからです。

1人美容室で最も使いやすく、失敗しないサイズは下記の通りです。

鏡(ミラー)の横幅は「60cm〜90cm」が理想

  • 60cm: スッキリとコンパクトな印象。1人美容室や狭小店舗で、セット面を多く取りたい場合に適しています。
  • 80cm〜90cm: 高級感やゆとりが出るサイズ。お客様の肩幅よりも十分に広いため、リラックス感を演出できます。

セット面1席あたりの「横幅(ピッチ)」は「150cm以上」

これが最も重要な数値です。隣に別の席がある場合、鏡の中心から隣の鏡の中心までの距離(ピッチ)は、最低でも150cm確保しましょう。

  • 150cm以下: 隣のお客様と目が合ったり、美容師同士がぶつかったりして、ストレスを感じやすくなります。
  • 180cm以上: かなり贅沢な空間。完全プライベートサロンとしての価値を高めるならこの数値を目指します。

背面のスペースは「120cm〜150cm」

椅子に座ったお客様の後ろを、美容師がスムーズに通り抜けたり、カットしたりするためのスペースです。

  • お客様の椅子の中心から後ろの壁(または家具)まで、最低120cmは必要です。150cmあれば、ワゴンを置いた状態でも楽に後ろを通れます。

床から鏡の下端までは「70cm〜80cm」

お客様が椅子に座ったとき、自分の顔だけでなく、胸元までしっかり映る高さが使いやすいです。

  • 低すぎると: 足元まで映ってしまい、落ち着かない空間になります。
  • 高すぎると: 背の低いお客様が座った時に、頭の上が切れてしまうことがあります。

店舗の物件形状と座席数によって、敢えてミラーを小さくしたり、大きくしたりするケースもあります。

【重要】失敗しないために「内装工事」の段階で計画すべきこと

居抜き美容室のデメリット:レイアウト変更にはかえってコストがかかる

おしゃれな鏡を無事に設置し、快適に使い続けるためには、壁を閉じる前の「内装工事の段階」でしかできない準備が2つあります。

鏡の重さに耐える「下地補強」を忘れずに

美容室の鏡は厚みがあり、非常に重いです。特に既製品の大きな鏡やアンティークミラーを設置する場合、一般的な石膏ボードの壁では重さに耐えきれず、最悪の場合、鏡が脱落する危険があります。

  • プロの対策: 鏡を設置する位置にあらかじめ「合板」などの強い下地を壁の中に入れておきます。
  • ポイント: 鏡が決まってから工事を依頼するのではなく、「この鏡を付けたい」という情報を早めに業者へ伝え、適切な位置に補強を入れてもらうことが必須です。

ドライヤー・アイロン用の「コンセント配置」

セット面周りで最も多い失敗が「コンセントが足りない」「コードが鏡に被って邪魔」という問題です。

  • プロの対策: * 位置: 鏡の横、またはセット台の下など、コードがお客様の顔にかからない位置に配置します。
    • 容量: ドライヤーとアイロンを同時に使ってもブレーカーが落ちないよう、専用の回路(専用回路)を引いておくのが理想的です。
  • 隠す工夫: 最近では、セット台の天板にコンセントを埋め込んだり、鏡の裏側に隠したりして、生活感を出さない設計も人気です。

「鏡の厚み」と「照明」の関係

鏡を設置した後に「暗くて顔が見えにくい」と気づいても、電気工事が終わった後では手遅れです。

  • プロの対策: 鏡の厚みによって、天井照明が影を作ってしまうことがあります。内装の段階で鏡のサイズと厚みを計算し、**「顔に影が落ちない照明の位置」**をミリ単位で調整します。

【プロのこだわり】セット面の照明は「美しさ」と「正確さ」のバランスが命

居抜き物件はオープンまでの期間を短縮できる
©️スタジオすむとこ_美容室施工事例(埼玉県 所沢市)※画像の無断転載を禁止します。

セット面まわりの照明計画は、美容室設計において最も繊細な作業の一つです。なぜなら、**「お客様を美しく見せる演出」「技術者が正確に色を把握するための機能」**という、相反する2つの要素を同時に満たさなければならないからです。

お客様を美しく見せる「ライティング」

お客様が鏡を見たときに、「この店に来ると自分が綺麗に見える」と感じていただくことは、リピート率に直結します。

  • 影を作らない: 真上からの強いダウンライトだけだと、目の下や鼻の下に濃い影ができ、顔色が悪く見えてしまいます。
  • 顔を照らす: 鏡の周辺から柔らかい光を当てる、あるいは壁や天井に反射させた間接照明を組み合わせることで、お顔全体をパッと明るく、シワやクマを目立たせない演出が可能です。

ヘアカラーの「正確な色」を判断するための「演色性」

一方で、美容師にとっては、ヘアカラーの微妙なニュアンスを正しく判断できる光でなければなりません。

  • 演色性(Ra)を意識する: 太陽光の下で見える色をどこまで再現できているかを示す数値(Ra)が重要です。Ra90以上の高演色LEDを採用することで、室内でも「外に出たら色が違って見えた」というトラブルを防ぎ、繊細なカラーリングを可能にします。
  • 色温度の選択: 温かみがありすぎる(オレンジ色が強い)とカラーの状態が分かりにくく、白すぎるとお顔の血色が失われます。一般的には「温白色(3500K〜4000K付近)」が、その両立に最も適しているとされています。

鏡への「映り込み」を計算する

照明器具の位置が悪いと、鏡に光源が直接映り込んでしまい、お客様や美容師が眩しさを感じてしまいます。

  • 角度の調整: 鏡の厚みや角度、お客様の座る位置を計算し、不快な反射(グレア)が起きない位置に器具を配置します。これは壁を閉じる前の電気配線工事の段階でしか調整できません。

どんなサイズの、どんな形状のどの位置に設置するか、は照明計画に関わります。ミラーを自分で手配する場合でも、早めにデザイナーに相談することが、使い勝手が良く美しい美容室作りへの近道です。


美容室の鏡(セット面)取り付け方の種類

美容室のセット面、取り付け方の種類

鏡のデザインが決まったら、次は「どう固定するか」です。これによって、掃除のしやすさや空間の広がりが変わります。

① 壁掛け型(下地補強必須)

壁面に直接固定する、最もポピュラーな方法です。

  • 特徴: 足元がスッキリするため、掃除がしやすく、空間が広く見えます。
  • 注意: 美容室の鏡は想像以上に重いため、壁の内部に「下地(補強用の板)」を入れておく必要があります。

② 自立型(ドレッサー・家具タイプ)

鏡とテーブルが一体になった、置いて使うタイプです。

  • 特徴: 壁の工事が最小限で済み、レイアウト変更も比較的容易です。
  • 注意: お客さんの足が当たっても動かないよう、床への固定が必要な場合があります。

③ イーゼルタイプ

③ イーゼルタイプ

壁がない場所や、セット面を背中合わせにする場合に有効な設置方法です。

  • 特徴: 圧倒的な開放感とデザイン性を出すことができます。空間の真ん中に配置できるため、自由なレイアウトが可能です。
  • 注意: 鏡を自立させるための専門的な施工技術が必要で、コストも高めになります。また、鏡が斜めを向く場合は、施術時の見え方に影響がないか事前の確認が不可欠です。


まとめ

10坪美容室_設計施工事例_スタジオすむとこ
©️スタジオすむとこ_美容室設計・施工事例(東京 府中)※画像の無断転載を禁止します。

セット面は施術を受けるお客様の目線に最も長く触れる空間です。
そのため、お客様があなたの美容室での体験を思い出すときに思い浮かべる風景もまたこの「セット面を前にした風景」である可能性が高くなります。
つまりセット面は、お客様に与える「店のイメージ」を大きく左右する存在と言えるでしょう。

例えば美容室に苦手意識をもつお客様の中には、

  • 美容室の鏡は顔が大きく見える
  • 家に帰ると、美容室でのイメージと違って見える

など、セット面にまつわる不満を抱えるお客様もたくさんいること

鏡は、単なる「道具」ではなく、お店の世界観を伝える「窓」のような存在です。

デザインの好みだけで決めるのではなく、「安全性(下地)」と「使いやすさ(高さ・照明)」「鏡に映し出される風景」をセットで考えることで、長く愛されるセット面が完成します。

studio.sumutoco(スタジオすむとこ)では、オーナー様が探してきた「こだわりの鏡」を安全に取り付ける施工や、オリジナルの造作セット面、ミラー周りの照明計画を含めたの空間デザイン・提案を得意としています。理想のセット面でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。