【保存版】20坪の美容室開業ガイド|内装・レイアウト・費用までプロが解説
美容室を開業しようと考えたとき、「20坪の広さで足りるのか?」「何席置ける?」「内装費用はいくらかかる?」といった疑問を持つ方は多いはずです。
実際、20坪は小規模〜中規模の美容室に適した広さで、工夫次第で効率的かつおしゃれなサロンを作ることが可能です。
この記事では、内装設計を専門とするプロの視点から、以下のポイントをわかりやすく解説します:
- 20坪の広さでできること
- 内装費用の相場と抑えるポイント
- レイアウトの工夫と事例
- 成功するためのデザイン・物件選び
これから開業を考える方にとって、「実際に動ける情報」として役立つ内容を詰め込みました。ぜひ最後までご覧ください。
20坪の広さ感と美容室としての適正規模とは?

20坪は何㎡?どんなイメージ?
- 20坪 = 約66㎡
- 一般的な、3LDKの住宅(約65〜75㎡)の広さと同等
- コンビニの売り場面積よりやや小さい程度
内装の工夫や動線設計次第で、「狭い」とは感じさせない空間づくりが可能です。
他の美容室の規模との比較
坪数 | 面積(㎡) | セット面の目安 | 適した業態 |
---|---|---|---|
10坪 | 約33㎡ | 2〜3席 | 夫婦経営・プライベートサロン向け |
15坪 | 約50㎡ | 3〜4席 | 小規模サロン |
20坪 | 約66㎡ | 4〜5席 | 小〜中規模サロン(2〜3名体制) |
25坪 | 約82㎡ | 5〜6席 | スタッフ4〜5名規模 |
20坪に適したセット面・シャンプー台数

- セット面:4〜5席
- シャンプー台:1〜2台
- スタッフ:2〜3名
1席あたりに必要な面積は約4㎡〜5㎡。待合スペース・バックヤードなどを含め、快適で効率的な設計が求められます。
20坪美容室のレイアウト実例と設計ポイント
セット面3面、シャンプー台2台、の美容室(渋谷)

上記は「石×鉄」をコンセプトとした美容室です。セット面3台・シャンプー台2台を設置しています。窓が多い物件の作りなので、物件の中心に、上吊り型のセット面を設計・特注で制作しました。どこから店内を見回しても、必ず鏡が視界に入り、店内を広く見せる作りとなっています。
セット面4面、シャンプー台2台、の美容室(高円寺)

イタリアの路地裏をコンセプトとした美容室。店内は少し暗いトーンで統一し、素材はモルタル造形を使用し、質感・空気感共に、まるでテーマパークのような世界観を演出しています。
20坪の美容室内装費用の相場

スケルトン/居抜きで費用が大きく変わる
物件タイプ | 費用相場 | 特徴 |
スケルトン | 900〜1100万円 | 自由度が高い/初期費用も高め |
居抜き | 300〜600万円 | 設備を流用しコストを抑えられる |
20坪でも広くおしゃれに見せる内装デザインのコツ
鏡に映す「背景」を決める

セット面は、お客様が一番長くいる空間です。鏡をフレーム・背面(鏡の映り込み)を写真の「背景」としてイメージすると、空間がリッチで広々したものになります。
色彩計画を行い、「洗練された空間」を演出

20坪ほどの面積があれば、さほど「狭い」という印象は受けにくいでしょう。ただし、色彩計画が不十分だと、「ごちゃごちゃした印象」になってしまいます。洗練された印象や統一感を出す場合には、「使用する色を3色以下にする」または「彩度を合わせる」などの、テクニックが必要になってきます。まずは、信頼できるデザイナーに相談してみましょう。
フォーカルポイントで唯一無二の空間作り

何を上記の写真はレセプションをフォーカルポイントとした例です。フォーカルポイントを設定することで、それ以外の空間の広さに対して目がいきにくくなります。例えば、1点集中型のフォーカルポイントを作り、それをセット面のミラーに映すことで、豊かな空間を作ることが可能です。
視線の抜けを意識した設計

空間は壁を設置すればするほど、「狭く」感じるようになります。視覚的に「広く」感じる空間を作るには、空間を奥まで魅せるのが1つのテクニックです。見せたいもの(上記写真では「窓」)を見せ、「抜け」を作ってあげると、空間が広く見えます。
20坪で効率的に施術を行う動線設計
十分且つコンパクトな収納の工夫

主に、美容室で使用される収納は、下記です。
- バックヤード
- シャンプーキャビネット
- レセプション
- 店販商品棚
20坪の美容室の場合、スタッフが2〜3人いると想定すると、「必要な時に、必要な人が、必要なものに手が届く」ことが非常に大切です。そうすることで、動きに無駄がなくなるだけでなく、動線に人が立つことが少なくなり、空間に余裕が出るようになります。
設置物を早めに決めてデッドスペースをなくす

動線を少しでも広く取るには、収納スペースの中のデッドスペースをなくすことが大切です。収納するものの型番やサイズをあらかじめ、デザイナーに共有しておけば、そのサイズぴったりの設計にしてもらうことができます。具体的には、下記です。
- キャッシャーのサイズ:レセプション収納内のデッドスペースをなくすことができる
- スチーマーのサイズ・型番:使用しない時の収納場所をぴったりに作り、動線をスムーズにできる
- 洗濯機のサイズ・型番:デッドスペースになりがちな、洗濯機の横・上のスペースを有効活用できる
- 設置予定の店販商品:見栄えよく設置できる陳列方法・ぴったりサイズの陳列棚で最小スペースで最大限の在庫を管理できる
オーナー側で手配するべきものについては、下記の記事で解説しておりますので、併せてご覧ください。
また、備品リストも下記より無料でダウンロードが可能です。
まとめ

今回は、20坪以下の美容室でおけるセット数や費用から内装工事の例をまとめてみました。
本記事の要約
- 20坪の美容室なら「セット4〜5面・シャンプー1〜2台」がおすすめ
- 20坪の美容室工事は900〜1,100万円程度かかる
- 内装工事に大切なのは「入った時の第一印象」
- 鏡の活用やフォーカルポイントの活用で、空間を作り込める
やはり、きちんとしたコンセプトに基づき、作り込まれた美容室は、お客様のリピート率が違います。20坪あれば、かなり色々な作り込みができる(遊び心も出せる)広さになります。
弊社Studio.Sumutoco(スタジオすむとこ)では、コンセプトから作り込んで、美容室を設計を行なっております。腕の良いデザイナーが在籍していますので、ぜひお問い合わせ下さい。