美容室内装|コンセプトづくりの全手順をわかりやすく解説!
美容室開業を考えている人は、「どんな美容室を開きたいのか」なんとなく、イメージできているはずです。その「どんな美容室か」を簡潔に表す言葉が「コンセプト」です。
美容室を成功させるために、決定するべきコンセプトは2種類あります。「ブランドコンセプト」と「空間コンセプト」です。ここでは、2種類のコンセプトと、その作り方について解説していきます。
ブランドコンセプトとは
ブランドコンセプトとは、「その美容室がどういうお店なのか」を一言で表したものです。
ブランドコンセプトの例
- スターバックス:家庭でもなく職場でもない第3の空間
- QBハウス:10分の身だしなみ
- 俺のフレンチ:高級食材を使った高級料理を 低価格で
ブランドコンセプトは、一言で、誰もが、明確に、イメージできるものである必要があります。
ブランドコンセプトがなぜ必要なのか?
お店に「売り」ができる
コンセプトを作るということは、「〇〇だからこのお店へ行こう」と思ってもらえる仕組みづくりのことでもあります。
「コンセプト=お店の売り」の例
- スターバックス:「ゆったりと仕事をしたいけど、家も会社も落ち着かない」からスターバックスへ行こう
- QBハウス:「髪を切りたいけど、10分しかない」からQBハウスへ行こう
- 俺のフレンチ:「高級料理を食べたいけど、給料日前だ」から俺のフレンチへ行こう
従って、コンセプトを作ることで、あなたの強みを「売り」にした美容室作りができるのです。
意思疎通が楽になる
実際に美容室をオープンするとなると、様々な業者とのコミュニケーションの機会が多くなります。その業者1社1社にぼんやりとしたイメージを齟齬なく伝えるのはかなり大変な作業です。しかし、コンセプトを明確にし、共有しておけば、そのコンセプトに即した提案のみを受けることができます。また「いい感じにやっておいて」と言ったざっくりとした依頼にも、精度高く答えてもらえるようになるでしょう。
意思決定が楽になる
お店を開業・経営すると、自分で決定しなくてはいけないことが沢山出てきます。例えば、立地・内装・看板・ロゴ・広告・サービスなどです。その1つ1つを丁寧に決定することは大切ですが、本来候補に入れなくても良いものまで候補に入ってしまうことがあります。コンセプトを明確にしておけば、余計な選択肢を排除し、余計な手間や時間をかけずに意思決定することができます。
また、考え方の指標となるため、下記のように、スムーズに経営を進めることができます。
- このコンセプトに合う人がいる立地に、物件を借りよう
- このコンセプトに合う内装にしよう
- このコンセプトに共感してくれるスタッフを採用しよう
美容室の「ブランドコンセプト」を作る方法
ブランドコンセプトは、自分で作るのが基本です。作り方の手順は次の通りです。
ブランドコンセプト作りの手順
- 1.成功している美容室を観察し、情報を集める
- 2.どんなお店にしたいか、イメージを具体的にする(7W2Hなどを使う)
- 3.キーワードを抽出する
- 4.キーワードを組み合わせてコンセプトを作る
- 5.出来上がったコンセプトが十分魅力的で、分かりやすいか確認する
- 6.魅力的でない場合は、「2.」をもっと深掘りする
具体的には、下記のコンセプトシートを埋める形で作っていくのが良いでしょう。
美容室の「空間コンセプト」とは
空間コンセプトとは、「その空間がどういう空間なのか」を一言で表したものです。
空間コンセプトの例
空間コンセプトは、ブランドコンセプトに沿いつつ、より具体的(映像が目に浮かぶ程度)で、ワクワクするものである必要があります。
コンセプトとテイストの違い:「空間コンセプト」はよくナチュラル・モダン・シンプルといった「テイスト」と混同されがちですが、似て非なるものです。同じ、「ナチュラルテイスト」といっても、イメージするものは人によって違います。同じ「ナチュラルテイスト」の中でも、具体的にどういったデザインにするのか、それをできる限り言葉で示したものが「コンセプト」です。
空間コンセプトがなぜ必要なのか?
お店の「売り」を形にできる
例えば、どんなに「うちの美容室は、リラックスできて」と言ったところで、狭くて、雑然としている空間ではリラックスしてもらえません。「トレンドに合わせたカットが得意です」と言っても、美容室内装がどこかダサかったら信用してもらえません。
でも、一方で、「リラックスできる美容室」「トレンドに合わせたおしゃれな美容室」といったざっくりした内容で美容室を作ると、ありふれた、無個性な美容室が出来上がってしまうのです。
そこで、もう一段階落とし込んで、映像をイメージできるくらいの「空間コンセプト」を作ってから、デザインや製作に入ることで、お店の「売り」をきちんと空間に落とし込んだ、魅力的な空間が出来上がるのです。
来て欲しい人を集客できる
空間コンセプトを作ることは、「どんな人に来て欲しいか」をはっきりさせることでもあります。「特定のターゲットに刺さる美容室空間」を作ることで、下記が見込め、集客力の高い美容室を作ることができます。
「空間コンセプトを作る」ことによるメリット
- 「絶対ここの美容室に行きたい」と思ってくれる根強いファンができる
- 「根強いファン」が、同じ趣味の友達に口コミで広めてくれる
- 「コンセプトのはっきりしたおしゃれな空間」を背景にした写真は、SNSでアップ・拡散され易い
美容室の「空間コンセプト」を作る方法
デザイナーに依頼する
美容室の空間コンセプトは、自分で作るのは非常に難易度が高いです。優秀なデザイナーに、ブランドコンセプトを渡し、ヒアリングしてもらいながら作ってもらい、それを元にアレンジしていくのが良いでしょう。(デザイナーに問い合わせる)
尚、Studio.Sumutoco(スタジオすむとこ)では、下記の4パターンから考えることが多いです。
- 物語から考える
- テイストから考える
- 小さなものから考える
- 物件(店舗)の個性から考える
下記では事例付きで紹介していますので、ご参考になさってください。
自分で作る
デザイナーのいない内装業社に依頼する場合は、自分で作りましょう。「空間コンセプト」を、自分で作る場合、一番やりやすいのは「テイストを深掘りして行く方法」です。
例えば、あなたが「ナチュラルテイスト」が好きな場合、ナチュラルテイストのどこが好きなのかを突き詰めて考えます。また、ナチュラルのどういった方向性(可愛い系・大人っぽい・シンプル・カラフルなど)が好きなのかを考えます。下記では、各テイストの画像を、方向性ごとにまとめていますので、参考にしてみてください。
その上で、自分の好きな要素をキーワードで列挙します。そして、そのキーワードに優先順位を付け、1〜2個、組み合わせると良いでしょう。また、その際、意外性のある組み合わせであると、より魅力的な空間ができる可能性が高まります。
下記の記事では面白い空間コンセプトの美容室事例を紹介しています。
まとめ
今回は、美容室開業の際に考えるべき、2種類のコンセプトについて解説しました。
ブランドコンセプトのまとめ
- ブランドコンセプト「その美容室がどういうお店なのか」を一言で表したもの
- ブランドコンセプトは、自分で作る
- ブランドコンセプトを作るメリット
- ①お店に「売り」ができる
- ②意思疎通が楽になる
- ③意思決定が楽になる
空間コンセプトのまとめ
- 空間コンセプト「その空間がどういう空間なのか」を一言で表したもの
- 空間コンセプトは、デザイナーに依頼する/自分で作る
- 空間コンセプトを作るメリット
- ①お店の「売り」を形にできる
- ②来て欲しい人を集客できる
弊社Studio.Sumutoco(スタジオすむとこ)は、「空間コンセプト」を大切にした、美容室設計・施工を行っております。美容室開業をお考えの方は、是非一度お問い合わせください。